2005-03-08
永野護「The Five Star Stories」2巻 2005Edition
第1巻の初版が1987年5月。それから18年余りにも及び読者を歓喜と絶望の渦へと巻き込んできた最凶の物語、『ファイブスター物語』の第2巻改訂版。本編の内容は細かい台詞の修正以外はなく、巻末に今まで登場したファティマのほぼ全ての画稿とファティマについての詳細な解説が掲載されています。これだけでも新たに買う価値がある。
神様が暴れまわる1巻が現代の神話としてF.S.S.が持つ1面だとするならば、2巻では、誇り高く人を圧倒する戦闘力を持った騎士たちの戦い、儚く強く美しいファティマたちの悲しみ、美しく禍々しい電気騎士 モーターヘッドによる国家を賭けた戦争、という現在の連載までに通じる魅力ある世界が徐々に形作られてきているのを見ることができて面白い。
あの頃には数コマしか出てこなかったセイレイが10数年後に今のような形で物語に現れるとは思ってもみなかったし、エルメラに未来を語ったクローソーが第1部で姿を隠し、未だに戻ってこないとは全く想像できなかった。
これからもファンはモータヘッドの背面設定1つに驚かされ、作者の天邪鬼に踊らされ、それでも新しい設定集が出ればすぐさま飛びつくんだろうなぁ。それはそれで幸せなのかもしれない。とりあえずは早く本誌 ニュータイプでの連載を再開してください...。
« 安野モヨコ「監督不行届」 | ホーム | 七月鏡一×藤原芳秀「闇のイージス」19巻»
コメント
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://worthless.sakura.ne.jp/mt/mt-tb.cgi/87
コメントする