2005-11-07
荻原浩「コールドゲーム」
読了。高校3年の夏、中学時代のクラスメイトが次々に襲われていく。浮上する犯人は当時クラスぐるみでイジめられていた同級生。当時イジメていた側が今度は自分たちを守るために団結して犯人を捜し始める。
描かれているイジメはかなり陰湿。思いかえせば自分の学生時代にもイジメがなかったとは言い切れない。最もクラス全員で1人を、というよりはボンタンに短ランのヤンキーさんたちが教師と殴り合っているという、いささか牧歌的なものではあったけど。
ついつい主人公の心の動き1つ1つのに昔を重ね合わせて読んでしまう。イジメた者、イジメられた者、傍観した者、4年が経過してそれぞれが「今」考えるイジメについてはかなり書き込まれている。展開もスピーディでミステリとしても読めるし面白い。
が、終盤、重松清っぽい話を期待していたところに投げっぱなしジャーマン気味に話が吹っ飛んでいくのは、いきなり角川ホラー文庫になってどうするのよ、という話である。ベタな結末を期待していたところには少々肩すかし。
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