2006-01-09

石田衣良「4TEEN」

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4TEEN (新潮文庫)
石田 衣良
新潮社 2005-11-26

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読了。新年、文庫1冊目。東京 月島に住む「14歳」の少年4人組を主人公にした連作集。だから4TEENか。
恋愛とか人の生死とかセックスとか友情とかDVとか家族の問題とか将来への不安とか、今っぽいものから普遍的なものまでいろいろなと詰め込んであるけど、石田さんらしいリズミカルな文章はそれを湿っぽくしないで読ませてくれる。固有名詞が多く使われているのもライブ感を出すのに一役かっているかな。
世の中は必ずしも平等ではないことを知っていて、自分の置かれたポジションを良く理解しているけど、基本的には友達想いで、正しいことは正しいと、間違ってることは間違ってると言いたい。そんな登場人物たちは、14歳を遥か昔に過ぎてきた自分にとって大人びすぎてると感じるのだけど、いま14歳の時を送っている人はこれを読むとどう思うのだろうか。
大人になって読む青春小説としては「こんな友達たちと青春時代に一緒に自転車旅行に行きたかった」って純粋に思わせてくれる1冊だった。

そういえば、自分が小学生くらいの頃に読んでいた「ずっこけ三人組」シリーズに4人のうち3人の造形がよく似ているなぁ。「ウェルナー症候群」の少年がいることで全然違う空気になっているけど。

[文庫]

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