2006-11-08

恩田陸「夜のピクニック」

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夜のピクニック (新潮文庫)
恩田 陸
新潮社 2006-09

by G-Tools

読了。最近映画化されたけれど未見。高校生活最後のイベントとして全校生徒が夜を徹して80kmを歩くという「歩行祭」を舞台に、登場人物たちが少しだけ引っかかった人間関係や上手く伝わらない想いみたいなものを語りながら、ただひたすらにゴールを目指して淡々と歩き続けていく。
大人になって振り返ってみればほんの些細なことだったと思うような出来事が、その時はまるで世界の終わりが明日来るくらいの重大なことのように感じられた頃。そんな昔を懐かしく思い出すことが出来ました。
物語を通してドラマらしいドラマは起こらないんだけれども、この作者は何もないところに物語を作るのが上手いなぁ。読後感も清々しくよくできた小品。これを映画化したってところには疑問符。あまり映画に向いている題材じゃないと思うのだけれども。

[文庫]

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