2007-02-09
三崎亜記「となり町戦争」
読了。「地域振興」として淡々と遂行される戦争。兵士が街中を駆け回る訳でもなく、爆撃機が飛び交う訳でもない、それでも日々の生活の場が実は戦場となっているという発想はなかなか面白い。物語としては、主人公にもヒロインにもあまりに感情移入できず、捉えどころのない平坦な展開と相まって最後までスッキリとしない。
本編よりも、巻末に収められた別章の方がこの作品の語りかけたいことを端的に表しているように思う。
「あなたは、わからないふりをして、現実を見ないようにしているだけではないですか? めぐり巡って、あなたは誰かの死に手を貸しているのかもしれませんよ。要はそれを自覚しているか、していないかの差だけです。」
という作中のキャラクタによる問いかけは覚えておこう。
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