2007-09-28

福井晴敏「機動戦士ガンダムUC」 1・2

読了。富野監督の描いたU.C.ガンダム世界に基づく、由緒正しきガンダムマニアによるガンダムマニアのための濃い1冊。
舞台は「逆襲のシャア」から3年後の宇宙世紀0096年。27年後には「F91」が続くといった、まだ「空いている」時代。「閃光のハサウェイ」は公式年表に入ってたっけな...どうだろう。

内容的にはまだ導入に入ったばかりだけれど、ここまでの雰囲気はなんとなく「F91」に近く感じる。主人公が工業高校の学生で、コロニー内に秘密裏に建造されたMSがあって、といったストーリィが同じだからかな。同時に、主人公とヒロインがいきなり出会って、お互いのどこかに引かれあってという展開は、作者の「川の深さは」、「Twelve Y. O.」、「終戦のローレライ」などに共通する、戦場でのボーイ・ミーツ・ガールの部分をしっかり押さえていてファンには嬉しいところ。
やはりヒロインは、ガンダム見ていた人なら大体わかるであろう、あのお姫様なんだろう。
そういえば、F91のヒロインもお姫様だった。

年表の中に割り込んだ作品としては、テクノロジー的に後の時代の作品にどう上手く繋げていくのかも気になるけれど、今のところクィンマンサをダウンサイジングした「クシャトリヤ」なんかはすんなり受け入れられるし、リ・ガズィとZIIを足して2で割ったみたいな「リゼル」も良いチョイス。F91に骨董品として登場したガンタンクもどきが現役で活躍しているのにはニヤリとさせる演出。「ユニコーンガンダム」は...物語の根幹に関わる特別すぎる存在のようなので開き直ってドーンと歴史からはみ出してたりするのかなぁ。

2巻でこの進み具合からは、かなりの大作になりそうな予感がするのけれども、この先「ラプラスの箱」の謎でどこまで引っ張れるのか、もしくは「その先」がどれだけ作られているのかが気になる。

どうせこの上にあるジャーゴンが全部理解できて、宇宙世紀の年表をある程度は暗記しているようなヘビーな人間しか読まないような作品なので、作者には妥協なくしっかり書ききってもらいたいな。

[書籍]

« 海洋堂 Fate胸像コレクション「鉄鎖【ライダー】」 | ホーム | mixiミュージック 7000曲目»

コメント

コメントする



トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://worthless.sakura.ne.jp/mt/mt-tb.cgi/420