2004-06-17

垣根涼介「ヒートアイランド」

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ヒートアイランド (文春文庫)
垣根 涼介
文藝春秋 2004-06

by G-Tools

特にチェックしている作家でもなかったけれど、書店で表紙の写真が面白かったのと、解説が大沢在昌だったので買ってみた。
正直、序盤は『池袋ウエストゲートパーク』のフォロアかなとも思いましたがどうして、スピード感のあるストーリで一気に読みました。

19歳の「アキ」は渋谷でファイトパーティーを開いてストリートギャング「雅」のヘッドにのし上がった武闘派だけど頭もキレるヤツ。一緒にコンビを組んでいるのはチームの頭脳である同じく19歳の「カオル」。
厄介なトラブルに巻き込まれた2人は、19歳ならではの社会への不信とか家庭の悩みを持ちながらも、ヤクザやプロの強盗グループを相手に生き残りを賭けた勝負を仕掛けていく。

「アキ」はキレはいいし、妙にスレていないところが魅力的なキャラクタだ。
終盤の展開は強引なところもあるけど、息をつかせないアクションと騙しあいで盛り上げていきます。

このへんでアウトローっていうと新宿に『不夜城』の「劉健一」、池袋に『池袋ウエストゲートパーク』の「マコト」を思い出す。この作品は不夜城ほどドロドロしてないし、池袋ウエストゲートパークほど今の空気を感じる訳でもない。言うなればマッチョ。
この作品、女の子は全くと言っていいほど出てこないんですよ。描かれる内容もストリートファイト、クルマ、ヤクザ、銃撃戦と、もうこれでもかと言うほど男臭い。そんな話を渋谷でやったのが面白いと思う。
この作品の「アキ」がこれからの渋谷を駆け回るとするなら面白いシリーズになりそうだが。

[文庫]

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