2004-08-11

東野圭吾「片想い」

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片想い (文春文庫)
東野 圭吾
文藝春秋 2004-08-04

by G-Tools

大学時代のアメフト部のマネージャが告白したのは殺人と意外な事実だった。

性同一性障害を始め、半陰陽、オカマ、オナベ、女性、男性、登場する人々の「性」に対する様々な捉え方が読み手の「女性」と「男性」という性別による固定観念を曖昧にさせていって、タイトルでもある「片想い」を意外な形で浮かび上がらせていく。
随所に張り巡らされている伏線はミステリとしても1級だと思いますが、輝いていた大学時代から13年という時間を過ごしてなお、お互いをポジションで呼び合うような(そして、そのポジションごとに人生の中で役割を与えられたかのような)元アメフト部のメンバたちの姿が印象的でした。

それだけに断崖オチはないだろうーって感じでしたが。

[文庫]

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