2004-07-01
恩田陸「ネバーランド」
恩田陸の小説を読むのは「六番目の小夜子」に続いて2作目。
伝統ある男子校の寮「松籟館」。様々な理由から帰省せずにそこで冬休みを過ごすことになった4人の少年による1週間の物語。
ちょっと大人びていて個性的な少年たち。今までの学校生活の中でお互いに微妙な距離をとっていた4人が、他に誰もいない寮の中でそれぞれの悩みを語りあって、助け合い現実に立ち向かって心を通わせていく。描写がとても瑞々しくって読後に不思議な気持ちになれる小説でした。ノスタルジックなんだけどそれだけじゃない。高校生である彼らの言葉は1つ1つが真っ直ぐすぎて眩しすぎるな。
彼らが過ごした「松籟館」での1週間は、大人になった僕らにとって、なんだかギスギスしちゃってる世の中にとっての「ネバーランド」。気持ちの良いファンタジー小説。
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