2006-05-09
谷川流「涼宮ハルヒの憂鬱」
読了。とりあえず流行りには乗っておこうってことで読んでみました。意外というか(失礼)、萌えとかとは別の意味でとても面白かった。
一般的な小説が「物語を動かすために登場人物が存在する」というスタンスを取るのに比べて、シリーズ化を前提して書き下ろされる昨今のライトノベルでは「登場人物が存在するために物語がある」っていう状況になりがちな訳です。
で、この物語の中では「涼宮ハルヒ」という物語のタイトルにもなるキャラクターを、文字通り神として存在させ、「ハルヒが存在するために世界がある」という状況を大胆にも物語の中で成立させることで、そういった物語へのアンチテーゼになっているところが、とても皮肉で面白いなと感じた。
登場するキャラクターたちはひたすら記号的で、文章も持って回った言い回しが多く、決して上手いとは言えないと思うけれども(これがデビュー作みたいだし)、この突き抜けた大胆さ一点で独特な面白さを持つ作品になっているように思う。
ただ続編となると、登場させたハルヒやみくる、長門さんなんかをどう動かすか、いかに魅力的に描くかという、それこそ定型におさまっちゃいそうなので、若干不安だなぁ。
まぁ、普通に読んでも非日常を求めながら日常を否定できないハルヒの心の動きとか、普段のエキセントリックさとたまに見せる素の女の子っぽさのギャップが心地よいと思うんだけど。ラストのポニーテールの件はとくに良かったな。続き、読んでみようかな。
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