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2006-09-25

石田衣良「アキハバラ@DEEP」

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アキハバラ@DEEP (文春文庫)
石田 衣良
文藝春秋 2006-09

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読了。それぞれに傷を抱えて社会に溶け込めないけど得意分野にはめっぽう強いというオタクたちが秋葉原に集い、ITビジネスの世界で成功を目指す。苦労の末に完成させた「それ」をITの帝王と呼ばれる男に奪われたとき、かれは自分たちの誇りをかけて敢然と立ち向かって行く。という、ジャンルでいけばスペシャリストものになるかな。
前半のメンバ全員が一つのきっかけからそれぞれの傷を認めてまとまり、目標に向かっていくところまではかなり面白く読めたけど、後半のだんだんと現実から飛躍していく内容には疑問符が。
ラストのはげしいアクションシーンにしても痛みや血や汗の臭いはあまり感じず、なんだかRPGのダンジョンをラスボスに向かってズンズンと進んでいくような軽さも感情移入を阻害している。また、秋葉原の描かれ方が生命力の感じられない、とてもプラスチッキーなものなのに少々の違和感を覚えた。特定のポイントやキャラクタは魅力的に描かれているものの、秋葉原という街そのものは生き生きと感じないんだよね。これが作者の感じた秋葉原という街の温度なんだろうか。

昨今の秋葉原を中心としたムーブメントを上手く自分のフィールドで軽く料理したファンタジーって感じです。踏み込めばもっと深くも書けるエピソードがいくらでもあるだろうけど、あくまで勧善懲悪なファンタジーに徹したところが残念。これは秋葉原に行かないような人が読んだほうが面白く読めたかな。

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2006-09-24

東京ゲームショウ行ってきました。ちょっとだけ感想。

幕張メッセで行われている東京ゲームショウ2006へ一般公開初日の23日に行ってきました。人多杉でさーっと流してきただけなので大した内容はないですがXBOX360とPS3の感想を。

入場してまず向かったのは、我が家にもある手近な次世代のXBOX360のブース。
注目のブルードラゴンとロストオデッセイの試遊台は、どちらも長蛇の列で2時間近い待ち時間だったので諦め。その他のゲームは比較的空いていたので2本ほど遊んできました。

1本は個人的に年末のラインナップ中で一番気になっている『カルドセプトサーガ』。DCのときはPSOの次くらいにハマった中毒性の高いカードゲームです。プレイは簡単な周回MAPを2周ほど。画面は3Dになってより美しくなったものの、プレイした感覚は良い意味でいつものカルドセプトのままで、特に説明を聞かなくても普通にプレイできました。カードも追加や変更がたくさんありそうで、これはバランスさえ取れていればLiveで相当盛り上がれそうです!

もう1本が『ガンダム オペレーショントロイ』。XBOX360初のガンダムゲーな訳だけど、新しいのは自分がモビルスーツから降りて1兵士となって戦闘できるところ。プレイ開始時にモビルスーツから降りた状態から始まっただけに、今までのガンダムゲーで感じられなかった埃っぽい戦場の臨場感とか、生身で戦ってるときとモビルスーツに搭乗したときの操作感の違いからくる「乗ってる感」みたいなものが結構新鮮でした。ゲーム自体はオーソドックスなTPSだったので、ガンダムは好きだけどその手のゲームは苦手という人間にとっては厳しい戦いになるかと思いますが。

全体的に感じたのは、発売からしばらく経ってきて、ソフトのラインナップが、FPS、レース、スポーツゲームへの偏重からすこしだけ解放されてきたかなということ。年末に向けて結構期待できそうです。

で、次に向かったのはPS3のあるSCEのブース。前日に約1万円のプライスダウンが発表されて正直少し気になってきてます(笑)
ブースは大勢の人で賑わっていたんですが、試遊台も数多くならんでいたので少しプレイすることができました。プレイしたのは『MotorStorm』。大型モニタで流れているデモはメチャクチャ綺麗でため息ついてたんですが、実際にプレイしてみると普通に面白く遊べちゃって驚くほど感動していない自分に驚くと言うか。
確かに凄い!凄い!んだけど、実機が目の前にあって、実際にコントローラを握ってプレイできるようになった100%リアルなPS3は、やっぱり絵が奇麗になって処理能力の上がった『進化したPS2』みたいなゲーム機だったって感じでしょうか。それが悪いって訳じゃ全然ないんだけど、変な期待してたかなぁ。
まぁロンチのタイトルはハードの性能を使いきれて無いことも多いので、これから印象が変わってくるかもしれませんけど。
出展されていたタイトルの中ではカードゲームの『THE EYE OF JUDGMENT』が、実際に手に持ったカードがゲーム上に反映されるあたりが斬新で面白そうでした。

PS3でもXBOX360でも感じたのは、いくら「リアル」を意識した奇麗な画面作ってきても、悲しいかな奇麗さというものは驚くほど早くに慣れてしまうということ。XBOXにはLiveを通じて「どんなゲームをプレイしていてもつながっている感覚」というのを体験させて貰ったので、これからのPS3が有り余るマシンパワーをグラフィック以外のどんな部分に傾けて僕らに新しい体験をさせてくれるのかと楽しみにしておきたいところです。

初めて行ったゲームショウでしたけど、何千万もかけたブースのすぐ近くで、同人誌の即売会みたいに素人のコスプレイヤーさんがポーズとってるってのはなんというかアンバランスで不思議な感じでしたねぇ。3時間ほど会場にいただけなのにひどく疲れたました...。幕張はやっぱり遠いわー。

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2006-09-22

園田健一「ガンスミスキャッツバースト」3巻

新刊。ストーリーのメインはアメリカンV8による公道レース!登場する車種はラリーの新しい愛車コブラIIにACコブラ、マッハ1、コルベット、ダッジ・チャージャーというたまんない内容。嗚呼ヨダレが。
ラリーの以前の愛車GT500は、名車中の名車で実に主人公らしかったのでそのまま新しいの探してくるのかなと思ってたら、いきなり新しくエンジン換装したコブラIIに乗り換えてしまって意表を付かれた。割とマイナな車だと思うけれども。
なんか新シリーズになってから、以前よりもよりディープによりハードになって時代に逆行してるような気がするけれど、そこがまた良いな。

全然関係ないんだけど、マスタングのニューモデル(とは言っても本国でのデビューは2年前だけど...)がこの秋から正式に日本に導入されるんですよね。この新型のスタイルが昔の面影を残しながら上手く現代風にリファインしてあって格好いいんだよなー。日本では1番安いグレードでも390万円からと全くもって高額で手も足も出ませんが。本国では20,000$以下のモデルもあると言うのに!まぁどちらにせよ買えないのには変わりは無いんけどね...。
早く日本の街中でも見てみたいものです。

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2006-09-18

擬人化たん白書とかイチローとか

世間じゃ3連休だったこの週末も普通に仕事だった訳だけど、なんとか仕事を終わらせて帰ってきてPSUにログインしようとしたものの、未だにログインエラーが多発してなかなか入れない...。まぁ、15日以前に育ててあったキャラクタは強制的にワールド1に行かされるので、サーバを増やした効果が表れるのは、今後新しい人が増えてきてからってことになるんだろうけど。
ところで、ネットの1部ではこのログインエラーのことが通称「イチロー」で通っている。これ、最初は訳わからなかったんけど、由来はログイン時に出るエラーコードが51でイチローの背番号51と一緒だったらしい。そこに気が付いたときはしばらく唖然として、その後かなーり笑い転げた(笑)
「今日もログインエラーで入れなくってさー」っていうのを、「今日もイチローが手強くて入れなくってさ」って最初に言ったヤツはいい仕事したなぁ。本物のイチローにとっては迷惑なことこの上ないと思うけども...。

でイチローに思いをはせつつ入れない間に読んでたのがアスペクトの『擬人化たん白書』。

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擬人化たん白書
アスペクト
アスペクト 2006-08-08

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内容は萌え擬人化のwebでの歴史と紹介。海外での擬人化の歴史、人はなぜ擬人化するのかという考察などなど。『びんちょうたん』とか『XPたん』に代表されるOS擬人化くらいで、これほどに世界が広がってるとは知らなかった。というか擬人化されていないキャラを探すことが難しいくらい萌え擬人化って進んでたんだな...コンビニまで擬人化されているとは!

自分がこの手の擬人化を最初に意識したのは、モデルグラフィックで連載されていた、明貴美加さんの『MS少女』かな。無機物の特徴的なパーツを可愛らしいキャラクタにつけてイラスト化しているスタイルは、今の萌え擬人化とほとんど同じ。『MS少女』自体も今見直しても遜色ないレベルにあると思うし、当時は割りと硬派だったモデルグラフィックでなんでこんな企画が?とも思ったけど、実に時代を先取ったものだったのだな...。

本に掲載されていた中で1番心引かれたのは人工衛星の擬人化。先端の科学を結集して人の希望を乗せて旅立つ美しさと、1度宇宙に出たら戻ってくることのない切なさがそれだけで物語を感じさせるし、イラストとともについているコピーがまたグッとくるなぁ。人工衛星をこんな感じに見たことなかったけど、擬人化することで入りやすくなるってのはありますね。描いてる人にとっても、自分が心から好きなものを人の形にすることで、より身近により感情移入しやすくなるという効果があるのかなぁ。
人工衛星擬人化プロジェクトは、しきしま・ふげんさんのwebページ tear drop で拝見することができます。

ところで、誰か上記のログインエラーも萌え擬人化してくれないかな。ドジっ娘キャラが「てへっ」とか言いながらログイン処理を失敗してるところを想像できれば、少しはイライラも収まってくるような気がする...かもしれない。

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2006-09-16

PSU正式サービス開始といろいろなこと。

とりあえず発売日の翌日からプレイしてます。サービス初日から大規模なネットワーク障害に見舞われ、一旦は試験サービスに切り替わっていたものの15日からワールドを1つ追加するという対策を行って、やっと正式サービスの開始となりました。まぁ、未だにログインし辛い状況は続いてるんだけど、以前よりも安定してきている感じはします。ゲームの内容自体は前作『ファンタシースターオンライン』の正常進化版って感じで楽しく遊べてるだけに、この初動での運営の悪さは余りにも惜しいなぁ。

運営側のお粗末な対応に腹が立ったのは当然として、この間に見たイロイロなものにもやりきれない気持ちでした。
大きなモニタにデモを流して平台にはパッケージの並んだ量販店の店頭。「ネットワークモードにもそろそろ慣れてきたころだと思う」とか当たり前のように書いてあるゲーム雑誌。発売日まで散々盛り上げておきながら、ネットワーク障害が起こった後に事態をキッチリと追って記事にしていたゲーム情報系の企業サイトは4Gamer.netだけだったこと...。それが商売ってもんだって言っちゃえばそこまでだし、自分が反対の立場だったらどうだろうって考えると理解できない訳じゃないけど、それでもやっぱり腹が立つ。バカヤロウだ。

僕がオンラインゲームの楽しさを知ったのはドリームキャストの『ファンタシースターオンライン』だった。そのときの友人たちとはその後、他のオンラインゲームを通じて交流し続け、『ファンタシースターユニバース』でもまた一緒に冒険をしている。おそらくこの先も、いつまでかは分からないけど、しばらくの間はこの仮想世界の中で冒険し続けるだろう。
たかがゲーム。だけど、そんな「たかがゲーム」に携わる全ての人々がもう少し誠実だったら、僕らの冒険はもっと楽しいものになるんじゃないかと夢見たりするのだけれども、それは叶わないことなのだろうか...。

とりあえず4Gamer.netの記事を張っておきますね。要点がよくまとめられていて良い記事だったので。

「ファンタシースターユニバース」で,今何がおきているのか

>>http://www.4gamer.net/news/history/2006.09/20060904235532detail.html

セガ,「PSU」の試験サービスを9月15日に終了&サービス再開

>>http://www.4gamer.net/news/history/2006.09/20060913203829detail.html

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2006-09-15

ヒラマツミノル「アグネス仮面」8巻

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アグネス仮面 8 (8) (ビッグコミックス)
ヒラマツ ミノル
小学館 2006-08-30

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完結。発売されていたのに気がつかなかった。最寄りの書店だと置いてなかったし。
読み終わって残るのは、最後までマーベラス虎嶋の一人舞台だったなという印象。これは現在のボンバイエの人にも通じる歯痒さというか。
コミックだからこそ、(一応)フィクションだからこそ見せられる昭和のプロレス論は、プロレスファンとしては読んでおいて損はないと思います。それだけに最後がなんだか中途半端な終わり方になってしまったのは惜しかったな。

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矢沢あい「NANA」16巻

新刊。ノブの短編が収録されているのでいつもより厚め...というか普通の単行本よりいつも厚いような気がする。
所々に描かれる未来の姿がはっきりとしてきたと言うか、オイオイ冒頭のシーンはなんだよと。
物語自体は大きく動かず。ナナの過去が徐々に暴かれていってって展開になるんだろうけど、引っ張るなぁ。現在の話よりも結末がどうなるかが気になってしかたなくなってきました。
レジでNANAとアグネス仮面を一緒に出したときの、店員さんのなんというか変な視線が居心地悪かったです...。

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