2007-10-04
石田衣良「娼年」
読了。
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2007-10-02
竹内真「風に桜の舞う道で」
読了。
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2007-09-30
関口尚「君に舞い降りる白」
読了。
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2007-03-07
樋口有介「探偵は今夜も憂鬱」
読了。シリーズ3作目。中編が3本ですが、長編であった前2作に比べても内容が凝縮されていて遜色ない読みごたえです。
青春小説的だった前作に対して、今作はミステリ/ハードボイルド色が濃い印象か。どの作品も渋く、悲哀に満ちた人間模様が上手く描きだされています。会話がテンポ良く読みやすいので、ついつい一気に読んじゃいます。
分かれた奥さんとの会話や、娘にやり込められるシーンが出てこなかったのは少々残念。
ヒロインたちに対する草平の気障で軽い態度と、娘に対したときの不器用な父親の姿の対比が実に面白かったんですが。
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2007-03-05
樋口有介「初恋よ、さよならのキスをしよう」
読了。「彼女はたぶん魔法を使う」に続く、柚木草平シリーズ2作目。
20年余りを経て再開した高校時代の初恋の女性と同級生たちを巡る物語。前作の軽妙な感じにくらべると、ややセンチメンタルで、ミステリよりも青春小説的な部分がより大きく取り上げられた印象。思い出は美しく、現実は実にほろ苦い。
少しだけアウトローな中年男を気取る草平の、ロマンチストで純粋な部分にグっとくるのはオヤジに近づいた証拠なのかな。良いです。
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2007-03-04
樋口有介 「彼女はたぶん魔法を使う」
読了。主人公の柚木草平はフリーのライタをしながら副業に探偵のようなこともする38歳の中年男。元警官で離婚した妻との間に10歳の娘あり。
主人公は口から出てくる言葉はいちいち気障なんだけども、それが決して嫌味に聞こえない面白いキャラクタ。この物語の面白さは8割方、この主人公とヒロインたちの会話の妙で成り立っていると思う。
ストーリィ自体は、女子大生の轢き逃げ事件を追いかけながら事件に巻き込まれていく実にオーソドックスなハードボイルドミステリ。拳銃も乱闘もなく展開は穏やかで、事件の真相はほんの少しほろ苦く、それでいてラストは爽やか。ハードボイルドでありながら青春小説のような不思議な感覚。
こういった感覚の小説はそれほど多くないような気がします。個人的にはかなり気持ちよい。
この作品は1990年に書かれたものなんですが、作者の作品をこれまで読んでいなかったのが不思議ですね。他にもシリーズ作品があるようなので、続けて読みます。
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2007-02-12
池永陽「コンビニ・ララバイ」
読了。小さな街の小さなコンビニ「ミユキマート」を舞台にした連作短編集。
ありがちな人情ものかなと読み始めたところ、意外に重い背景を持った登場人物が多く、物語もバリエーションに富んでいて面白い。
どの話もラストは少し苦く、そして心温まる感じに上手くまとめられていて、正直出来すぎな感じがするけれど、まぁ悪くはないかな。
しかし、どの話も最終的に男と女の話に落とし込んでしまうのは如何なものかと。
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2007-02-09
三崎亜記「となり町戦争」
読了。「地域振興」として淡々と遂行される戦争。兵士が街中を駆け回る訳でもなく、爆撃機が飛び交う訳でもない、それでも日々の生活の場が実は戦場となっているという発想はなかなか面白い。物語としては、主人公にもヒロインにもあまりに感情移入できず、捉えどころのない平坦な展開と相まって最後までスッキリとしない。
本編よりも、巻末に収められた別章の方がこの作品の語りかけたいことを端的に表しているように思う。
「あなたは、わからないふりをして、現実を見ないようにしているだけではないですか? めぐり巡って、あなたは誰かの死に手を貸しているのかもしれませんよ。要はそれを自覚しているか、していないかの差だけです。」
という作中のキャラクタによる問いかけは覚えておこう。
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2007-02-08
デイヴィッド・ハンドラー「ブルー・ブラッド」
読了。個人的に大好きなデイヴィッド・ハンドラーの新シリーズ。今シリーズの主人公は人付き合いが苦手で映画館の暗闇が最も落ち着くという小太りの映画批評家、ミッチ・バーガー。
スタイリッシュな元流行作家、スチュアート・ホーグがゴーストライターとして著名人の裏側を探る「ホーギー・シリーズ」ほどの派手さはないものの、ビッグシスター島のゆったりとした時間の中でもハンドラーらしい、温かく、ウィットの効いたテンポ良い語りは健在。素晴らしいです。
日本では評価がいまひとつなのか過去作品を探すのが大変であまり多くの人に読まれていないのが残念。
本国では既に5作目まで刊行されているらしいので、順次翻訳されるのを待ちたいですね。
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2007-01-31
楡周平「フェイク」
読了。大学を卒業したものの内定をもらえず、銀座の高級クラブ「クイーン」でボーイとして働き始めた主人公。ライバル店から移籍してきた摩耶ママと破格の条件で彼女の運転手を務める契約を結んだところまではラッキーだったが、妙な仕事まで依頼されて...。情けない青春に終止符を打つ、起死回生の一発は炸裂するのか?
銀座の夜の街を舞台にした軽妙なコンゲーム。総じて男は情けなく、女はしたたかに描かれています。特に主人公は一際情けなく、「銀座の夜の街とコン・ゲーム」というキーワードから連想するタフさやスタイリッシュさは全くないですが、その情けなさに妙に親近感を感じて入って行き易かったです。
前半では「銀座の高級クラブ」なんていう日常から縁遠い場所の描写がとても興味深く、一転して後半、如何にして金を巻き上げるかという部分では主人公たちの取った手段は全く予想できずに、そう来るかと膝を打つ思い。
カバー裏にあった「抱腹絶倒の傑作コン・ゲーム」というアオリは正直言いすぎだろうとは思うけれど、勢いもあってラストまでぐいぐいと引っ張る良作で、特に後半の仕掛けは素晴らしいですね。もう少しマッチョな作風かと思っていた作者ですが、意外にオチまで含めて爽やかな内容でした。
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