2005-09-03
ヒラマツミノル「アグネス仮面」6巻
熱さ、痛さ、胡散臭さ、凄さ、全てをひっくるめて「これがプロレス!」っていう、決定版的プロレスマンガの第6巻。
なんだけど、今巻ではさしものアグネス仮面も、空手家 マイケル・ジャクソンに喰われてるなぁ...。もぅ、名前からして、大笑いだし。さすが天地拳からの刺客。
最近のプロレスが物足りなく感じる自分の中で、その理由をイロイロ考えてみると、プロレスのエッセンスの中で最も重要だった胡散臭さのバランスがどうも適量でなくなったからじゃないかなと思う。
シュートな人が演じると上滑り、そのためにキャラクターを作ると薄っぺらく中々難しい。
そんな中に颯爽と現れた、全日本プロレスの「曙」さんは本人の望む望まざるに関わらず、今のプロレス界で、もっとも胡散臭くて凄いキャラクターとしていい味出してるなぁと思ったり。
プロレス好きを自認する人にはぜひ読んで欲しいマンガです。特に4巻~5巻あたりが熱い!
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2005-08-17
矢沢あい「NANA」13巻
ナナとハチが直接話しするのなんていつ以来だろう。昔と同じように見えて、少しづつすれ違う何か。相変わらずキャラクタたちを徹底的に虐めるよな。修羅場とか、麻薬とか、リストカットとかetc.常に悲劇的なエンディングを暗示するシーンがあるのは応えるなぁ。
で、BlackStone買ってきた。NANAのせいでかなり売れちゃったんじゃないのか。これはバニラフレーバーでかなり甘ったるかった。
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2005-08-07
矢島正雄×中山昌亮「PS 羅生門」9巻
最終巻。「警察」って舞台を通して、人の嫌なところを散々描いて、でも人の暖かいところを見せて、また人の最低なところを描いて、淡々と進んでいく物語は秀逸だった。
終わっちゃうのはとても残念だなぁ。
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霜月かよ子「C-blossom」1巻
福井晴敏原作で、『亡国のイージス』の如月行が出ているっていうので買ってみた。
福井晴敏×少女マンガ っていうのは想像し難いところだけど、1巻では、少女マンガ率高め、福井率低めという感じ。
亡国のイージスのキャラクタを借りているけど、追われる少女とそれを護る少年という物語はむしろ『川の深さは』のマンガ版といった感じかも。エッジの利いてコントラストのハッキリした画は、田島昭宇なんかに少し似ている。
福井作品の魅力は、細かいディテールの徹底した積み重ねが作りだすスケールの大きな舞台の中にある、ヒロイックで浪花節な物語だと思う。そう考えると案外に少女マンガとも親和性が高いのかも知れないな。背景の大きさが描ききれないと、ステロタイプな物語に落ちそうな気もするけれど。
今巻の中だと、電車の中のシーンで行が香奈に「今のオレに、絵を描く資格はない」っていった後に見せる、寂しそうな笑顔とかグっとくるところなのかなー。
福井作品には、強く純粋で脆くもある青年と同時に、世間を知って人情のある違った意味で強く熱い中年の親父が欠かせないけれど、これから先どう出てくるのかな。
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2005-07-31
園田健一「GUNSMITH CATS BURST」1巻
しばらくアフタヌーン本誌を読んでいなかったら、いつの間にか『GUNSMITH CATS』の新シリーズが始まっていたらしい、というかもう単行本まで発売になっていたのか!(遅れすぎ) という訳で新しく出た新装版と一緒に買ってきました。
もとの単行本の1巻目が発売になったのは15年も前なんですが、今読んでもやっぱり面白いです。作画、ストーリーともに全く古さを感じさせないのが凄い。
女の子に銃に車に「男の子」の好きそうなものを詰め込んで、全編スピード感溢れるガンアクションとカーチェイスとちょっとHなシーンもありという過剰なまでにエンターテイメンなマンガですが、細かなディテールがしっかりと書き込まれて軽妙だけど決して薄くはない。
BURSTは前シリーズからそのまま続いているので、ラリーやミニー・メイの新たな活躍が見られるのが嬉しいです。
本編の長編も面白いんですが、個人的には最初にある読みきりの方が特に好き。終わり方とか、ふくらませれば1時間のTVドラマになりそうです。
感覚的には『刑事ナッシュ・ブリッジス』(こっちはプリマス・クーダを駆る、親父2人の刑事ものですが)とかの、アメリカのTVシリーズのアクションものに近いかなー。
新装版はこれから毎月刊行で全4巻の予定。BURSTの次巻が11月発売予定です。
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2005-05-16
二ノ宮知子「のだめカンタービレ」12巻
変態の森に足を踏み入れた千秋とのだめは、まるで少女マンガのような展開に...あ、実は少女マンガだったんだ。自然と千秋の側から物語を見ていたので、のだめの自分にはない不思議な魅力に千秋がひかれていく物語に見えていたのだけど、のだめの側から女性の読者が読むなら、王子様な千秋がちょっと変わった「私」に恋をしてくれる物語に見えるのだろうか。
「侍」黒木くんが再び登場。実はのだめで1番好きなキャラ。新しい環境に馴染めない黒木くんを自然体ののだめと音楽が軽やかに引っ張っていってくれる。「ぎゃぼー」の向こう側にある爽やかな物語が心地いい。
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2005-05-03
みずしな孝之「いい電子」5巻
『週刊ファミ通』連載の非ゲーマー系マンガ家によるゲームライフ漫画?の最新刊。
ファミ通はこのマンガの他にも、先日読んだ桜井政博さんの「ゲームについて思うこと」や伊集院光さんの「ゲーム警報発令中」等のコラム群、永田泰大さんのコーナー「魂の叫び」など、日常にあるゲームの風景を他のゲーム雑誌に比べて上手く描くなぁと思う。その辺りを突き抜けていくと『CONTINUE』とかになるんだろうけど、過剰にサブカルっぽいのがどうにもシンドイ。
とりあえず去年の嵐のF1日本グランプリに似たような感じで行ってたのには笑った(笑)
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2005-04-07
大場つぐみ×小畑健「デスノート」6巻
相変わらずここまで文字ばっかりのマンガも凄いですね。
ヨツバキラ編も盛り上がってきました。遂に明らかになる第3のキラは予想とは...見事に違った。第3のキラはデスノートがいかに強大な力を持っていても、結局は使う人間の能力次第ということをまざまざと見せ付けてくれるキャラになってしまいました。
ミサの存在感がどんどん上がってきてますね。登場したときはただの電波なゴスロリキャラだったんですが(これはこれでサイコぽくって良かった)、デスノートを手放してからは表情も豊かになってほんと変わったなって感じがする。死神レムと再会するシーンなんかでは意思の強さと月への一途な思いが感じられて可愛いです。
Lもまたフル回転する頭脳でキラを冷静に追い詰めながら、時折過剰なボケを見せて一寸常識から外れてしまった天才っぷりを見せてくれて楽しい。
しかし刺すか刺されるかの緊張感から解き放たれて、その人間性を回復し始めたキャラクタの中にあって、デスノートを手放した月だけが、理知的で正義感の強い普通の人の位置に納まってしまって、残念なことに「冷酷な殺人鬼」であった頃の魅力を完全に失ってしまったように思う。それは少年マンガとしてはジレンマのようにも感じるけれど...。
恐らくヨツバキラ編も次で1つの結末を見るはず。
それはきっと読者の想像からはるか先を行くことになるのだろうなーと何となく信じられるような気がします。次巻は7月刊行予定。
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2005-03-31
曽田正人「capeta カペタ」7巻
フレームはガタがきて曲がらないわ、カペタの身体はボロボロだわ、チームは金銭的に限界だわで、チームカペタのミナルディ化は進行中。それでもカペタの戦う意思は微塵も欠けない。完全な状態でコースに送り出すことのできなかったノブが、コースに出たカペタを見て迷い、悩み、祈り、それでも信じている姿がグっとくる。コース上で戦うドライバーたちだけでなく、チームに関わる多くの人たちがレースを戦っているというモータースポーツの醍醐味を感じさせてくれるなぁ。
今巻の表紙ではライバルの奈臣がマクラーレンのシートに収まっている。隣にはカペタのフェラーリ!毎回この表紙がゾクゾクくる。そう、1巻の冒頭を読んだ時から僕はカペタのF1での活躍が読みたいんだ。
『バリバリ伝説』のグンがMotoGPで世界のサーキットを駆け回ったのを心躍らせて読んだように(頭文字Dも拓海のWRC行きを匂わせつつも峠が終わる雰囲気が無いし)。作者は『昴』での不完全燃焼の過去があるからF1編まで描いてくれるのかが少し心配になってくるけど。次巻は7月発売予定。
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2005-03-16
矢沢あい「NANA」12巻
最新刊。平台にズラーっと並べられていました。映画、ゲーム、トリビュートアルバムと凄い勢いみたい。
冒頭から見せられる世界は強烈すぎてキツい。登場人物たちの気持ちが皆すれ違っているのがあまりにももどかしいです。
奈々のモノローグに「だけど あたしが見たかったのはあんな悲しい結末じゃなかったのに」なんて言葉は見たくなかった...。
甘くてもいい、漫画だからこそ、僕も「あんな悲しい結末」なんて見たくない。